韓国
第1節 韓国のフツーな人々

外国へ出る韓国人

一般市民への英語浸透率は日本と同じくらい低いものの、一部では凄まじい英語学習クレイジーぶりを発揮している韓国。授業は全て英語で行われる名門高校があったり、全て英語で進行するヤンエグ集会があったり。

かと思うと、一方では全く会話も出来ない高校生や大学生もいたりするのだが。冬ソナ女優のチェ・ジウ殿も世界進出を目指して?英会話教室に通っているらしいが、日本の英語教育番組の取材を受けた時は一言も英語で話さなかったぞ。そんなんじゃセカイ進出はとても無理ねー。せいぜい日本のCM出演止まりでしょうよ。日本語を勉強したら?

一方、同じ番組で取材を受けていた別の韓国人俳優は、10分ほど熟考した後、実にたどたどしい英語で一生懸命インタビューに答えていたぞ。その努力に感服!

ところで、昨今の韓国ドラマでは、やたらと韓国人の海外進出が目立つ。何かというと切れ者の「韓国系アメリカ人」が登場したり、留学中のボンが登場したり、失恋したからとアメリカに逃げようとしたり。 唐突に「僕は留学しようと思うんだ」という台詞が飛び出したり。件の冬ソナでは、なんとカップル留学の話まで持ち上がったぞ!

ドラマの中での人気留学先は、何故か

1位:アメリカ

2位:フランス

3位以降は聞いたことがない。

数年前のドラマでは「日本にアニメの勉強のために留学」なんてのもあったのになぁ。今ではせいぜい北朝鮮スパイの偽造パスポート作りのために利用されるくらいである。

実際、韓国では留学が盛んで、幼少の頃から母親付で留学なんてケースもあるらしい。筆者がバンクーバーでお世話になっていたカナダ人のオバサンが韓国人少女たちの英語塾の先生をやっており、そんな話を聞かせてくれた。自国文化の奥深さも知らず、人格形成も中途半端な時期にそんなところへやられてまともな人間に育つのだろうかネェ?

筆者がカナダの語学学校にいた間にも韓国人学生は次から次へとやってきたし、実際、何処へ行っても韓国人がいるものだから、海外留学する日本人は必ずと言って良いほど韓国人の友達が出来て帰ってくるのだ。西洋においては一番近しい文化を持つ者同士なので、なんとなく気が合ってしまうのだろうな。

筆者が行っていたのは田舎の三流学校だったため、日本人の殆どはワーキングホリデーなどでなだれ込んできたプータロー予備軍。先行きは怪しいが、一応、自分の稼ぎでやって来た風来坊たち。一方の韓国人は、真面目に留学目的でやって来た人々。しかし留学するならもっとマシな学校へ行った方が良いと思うのだがなー、というのは大きなお世話か。

タダ1人だけ、社会に出て自分で稼いだ後に留学していた女の子がおり、彼女は他の韓国人とは明らかに雰囲気が違っていたのだが、しかしこれは非常に珍しいケース。彼らの殆どは親のバックアップ付きでやって来ていた。

韓国では親の援助は割りと普通の事であるようで、留学費用、結婚費用、家を買う費用などは大体親が出してくれるらしい(筆者が出会った韓国人はおそらく割りと裕福な階級なのだろうが)。それで次への段階がスムーズに進むなら、まぁ合理的といえるか。「冬ソナ」の中で、よい大人がいきなりカップル留学しよう、などと日本だったら突拍子もなく聞こえるような台詞が出てきた背景には、「親の援助」という前提があったのかもしれない。