第6節 釜山再び
両親の日
5月初旬、韓国に行ったらそこら中でカーネーションが売られていた。以前もちょうどこの時期に旅行したことがあって、あー、韓国でも母の日があるのだな、しかも日本より激しくカーネーションが売りまくられている、さすが儒教の国、オヤを大切に思う気持ちは日本よりよほど凄まじいのだろう、と思っていた。まー、儒教思想についてはあながちハズレではなかったのだが、なんと韓国では母の日ではなく「両親の日」なんだそうだ(オイオイ、また勝手に記念日を作ったでしょ?韓国の方々?)。しかも日本の母の日とは日にちが微妙にずれており、5月8日がその日なのであった。たまたまその前日に会った友人が買ったばかりのカーネーションを携えていて、そのことを話題にしたので真実が判明した次第。
とにかく、街では地上地下を問わず、5メートルおきに花売りが立ち、オアシスに花をぷすぷす差し込んで綺麗にアレンジしたバスケットを所構わず並べ立てている。今年のトレンドはこのミニバスケットタイプなのか、単なる花束はほとんど見かけなかった。売れ残ってしまわないのか心配になるほど大量にある。そして道行く人々の実に多くがこれら商品を手に提げている。友人曰く、「みんな明日だけ良い子ども」になるんだそうな。ぅ~む。ホントにイベントの好きなヒトビトだね、韓国のヒトって。
ところで、韓国で活動している日本のコメディアンが、「オカン」ネタが全くウケなかったどころか、なぜそれがコメディのネタになるのか理解されなかったという話をしていた。要するに、オカンを笑いものにすることは韓国では有り得ない話なのだ。
因みに、母の日は古代ギリシャに発祥したものらしく、現在では世界数10ヶ国で記念日として制定されているそうな。大体が5月の第2日曜日だが、韓国は8日に固定。また、贈り物としてカーネーションが主流となっているのは日本、韓国、台湾くらいであるらしい。