ソンセンニムもヨン様
筆者が行っていた韓国語講座のソンセンニムは、大学の社会人講座も持っているらしく、こうおっしゃった。
「ここの講座はそれほどでもないようですがね、あちらの講座はこのところ、中高年女性の割合が異様に多いんですよ。ホントにどういう事でしょうねぇ?」
ソンセンニム、勿論その答えはご存知のはずだ…。
先日、両親と一緒に旅行に出掛け、こういった状況の背景の1つであろう証言を得る事ができた。風呂から上がって部屋に戻るとテレビが付けっ放しで、事もあろうに件のドラマを放送中だった。リマインダーもなく、家にもいないというのになんという絶妙なタイミング。まるで、ドラマの方が筆者を追いかけてきているかのようだ。続けて風呂から上がってきた母は、
「あ、コレ見なかんがね(見ないといけないわ)。」
と、いそいそとテレビの前に陣取った。はっ!そう言えば母も熱烈冬ソナファンの年齢層の人であった。もっとも、母自身はそれほど熱烈ファンでもなさそうだったが。
母によると、ドラマの筋立てが少女の頃に読んだ少女漫画のそれに酷似しているという。イロイロと事件が起こって男女関係があっちいへ行ったりこっちへ行ったり。絵に描いたようなイジワルなお嬢様タイプの女が存在したり。主演俳優が主人公に衝撃の事実を告白しそうな場面で、「ここにあのオトコの人がやって来て言えなくなるんダニ」と母が言うと、まさしく、実に都合よく婚約者の優男が現れる。おみそれしました。
さて、ドラマの人気のもう一端を担うのは、やはり主演俳優殿だろうか。なんと言ってもハングル検定試験会場でまで微笑んでいるくらいだし。しかし、何故かこの方、若者には人気が薄いようだ。韓国狂の後輩Nは彼の事などどうでも良いようだし、友人数人も「何であの人が良いのかわからない」と言っている。単に類が友を呼んでいるだけだろうか?
とどめは韓国語講座の自由作文で、とある若い女性がこう書いていた。
「ペ・ヨンジュンは好きではないけれど、韓国語の勉強のために彼の出ている映画を見に行きました」
わざわざ「好きではない」と断りを入れられてしまう彼って一体…。
後輩N曰く
「ドラマを見ているというだけでぺ様好きだと思われるのが心外だ」
それどころか、韓国語をやっているというだけでぺ様好きだと思われそうで実に心外である。
いずれにせよ、なんだかマダム限定キラーなぺ様なのである。
因みに、後輩Nとの間では、おちょくり気味に「ぺ様」などとお呼び申し上げているが、世間では名前の方の第1音節を取って「ヨン様」と呼んでいるらしい。それを聞いた韓国語講座のソンセンニム、「じゃあ私もヨン様ですよ」と言うなり、ご自分の名前を黒板に書き始め、「第2音節」の文字に大きく丸をうって、ほら、と。ソンセンニムのお名前は「クヨン」とおっしゃるのだが、う~む、なんだか無理がありませんか?