ドイツ
第1節 ドイツでの初仕事

偶然の中の必然

前に書いたように、筆者とSvenが初めて出会ったのは、マジックの国際大会の会場での事。筆者は会場の客席に1人で腰掛けていた。そこへ、隣空いてる?と彼がやって来たのだ。日本マニアの彼の事、うわ、日本人らしきアジア人が1人でいる。これは話し掛けねば、と思ったに違いない。

よく考えたら、普通、こういった場面はあまり存在しない。大会に日本人はたくさんいたが、大抵はツアーで固まってやってきて、仲間同士でつるんでいる事が多いのだ。時々ならともかく、女1人で始終フラフラしている事などまず有り得ない。日本人よりも固まる傾向の強い韓国人の知人に、「何で君はいつも1人なんだ」と心配されるくらい、筆者の取る単独行動はアジア人的には異様なものらしい。イヤ、アタシャ1人の方が気楽でいいんですけどね。それにホラ、こうしている方がこうやってフツーの外人さんと知り合いになり易いしさ。

そうなのだ、この偶然の出会いには彼の日本マニアぶりの他に、筆者自身の特殊?行動性も大きく関与していたのだ。また、自分の意思や考えを伝えられる程度に「不正確な英語」を澱みなく喋れる事も。

様々な必然性が絡み合って偶然の出会いを生み出し、その出会いから今回のドイツ訪問が適い、ここでまた多くの素晴らしい出会いがあった。偶然の要素である1つ1つの必然と、それらを組み合わせてくれた運命の不思議さに、心から、感謝したい。