カナダ

第2節 カナダでのフツーの出来事

こんなにフツーな物が手に入らない!?

こんなに簡単な物が手に入らない!と、唸る事が、カナダ滞在中に数件あった。

ひとつは、マジックのギミック(表には出てこないネタ部分)として使っている細くて黒いゴム。髪を束ねる時に使う物で、日本だとホームセンターやコンビニで簡単に手に入る。長い物が束ねてあって、自分で好みの長さに切り、結んで輪にして使う。ところが、カナダにもあるにはあるのだが、金具で留めて既に輪にされている物ばかりで、長いままで売られている物が何処にもないのだ!筆者のいた所が田舎街のせいか、または探している場所が悪いのか。日本の常識で物を探していると全然見つからない事はしばしばある。

2つ目はカミソリ。T字型のカミソリは何処に行ってもゴマンと置いてある。ところが、一文字型のが何処にも見当たらない。こちらの人は顔の産毛を剃ったりしないのかもしれない。そう言えば、以前イギリスへ行った時、入国審査の女性係官がもの凄い口髭を生やしていて、一瞬ぎょっとした事がある。髭と言うか、産毛が伸び過ぎたような感じではあったが。欧米における髭女目撃報告は他からも聞いた事がある。

3つ目は荷造り用のビニール紐。文房具屋に行ってもない、1ドルストアへ行ってもない、ドラッグストアやクラフトショップへ行ってもない。この国の人は恐らく手で荷造りなどしないのだろうか。店の人に「荷造り用」と言ったら、マシンでピシッとかける硬いテープが出てきたのだ。あるいは、麻紐らしき物は見かけたので、こういうのを使うのかもしれない。とにかく、ごく一般的に使われる物ではないのだろう。ホストマザーが親切に「どんな物か言ってくれたら探すのを手伝うから」と申し出てくれたが、多分彼女が見た事もないであろう物をど説明したら良いのやら。上手く伝えられないのは目に見えていたので、1人であちこち歩き回った末、すご~く寂れたショッピングモールの一角の地味~な店にぽつんと置いてあるのを発見した。案の定、中国製というシールが貼ってあった。「こんなの見た事ある?」とカナダ人に訊くと、初めて見たと言っていた。売られているからには買う人がいる訳で何か用途があるのだろう。知人に訊いたら、農作物を固定するのに使う人もいるだろうという事だった。