韓国
第6節 釜山再び

観光客専用施設でボラれる

韓国に初めて行った頃は、観光地へ出かければ間違いなく日本語で声を掛けられ、「見ただけで違いがわかるんだ~」と驚いたものだったが、今では自分でも韓国人と日本人の見分けがつくどころか、韓国人と間違われて韓国人に道を聞かれる始末。ふてぶてしい態度と観光客らしからぬ身なりがそうさせるのか、ナドと思っていたのだが、如何にも観光客が買いそうな韓紙を持って観光市場をウロウロしていたら、再び日本人に逆戻りだ。歩いているだけで「海苔が安いですよ~」といらんセールストークが浴びせられ、鬱陶しいことこの上ない。こんな観光客ズレした所より、スーパーや地元民専用の市場で買った方が何もかも安いし美味いのだ。が、ソウル市内の大きなスーパーは郊外にある。今回はたんまり買い込む用事もなく、余り時間もなかったから、この辺りで手を打つのも悪くはなかろう思って試しに値段を聞いてみた。ハハに柚子茶を買っていく約束をしていたのだ。が、訊いてビックリ!スーパーでの価格の2倍はするのだ!うひょ~~~!ぼってるなぁ…ホカで何とかしよう…(で、通りすがりのあまりぱっとしない小売店で安いものを発見し、そこで韓紙を忘れていったのだ… (;-_-)=3)

ところで、韓国での筆者にとっての最大の楽しみは、ハンジュンマクと呼ばれる熱~いサウナ。最近は日本でも韓国式のサウナが流行り始めていて、似たようなものに入れなくはないのだが、なんだか贋物臭いし、妙に洗練されたお洒落な施設になってしまっていて、韓国サウナの泥臭さが味わえない。勿論値段も高い。

今回の宿泊先は賑やかな中心街の近くで、あちこちに観光サウナがあった。入り口には日本語のパンフレットが置いてあり、日本の芸能人の写真がベタベタ張られている、如何にも日本人向けな店ばかり。が、そのうちの1つに「ソウルで唯一、松の木を焚く本物のハンジュンマク」と書かれた店が。そもそも日本語でそのように書いてあること自体が胡散臭さの証明なのだが、「ホンモノ」につい気を許した筆者は、ついそこへ入ってしまった!

従業員は気持ち悪いくらい日本語ペラペラ。だが、カモの日本人観光客を流れ作業でさばいていく彼女らに暖かさはない。しきりに高いメニューを薦めるオバサンの感じの悪いこと!「マッサージのコースを受ければ入場料は要りません。ホントは要るけど、サービス」と胡散臭いことを言う。サービスではなくて最初からそういう設定なんだろうに。余程何もせずに店を出るか、高温サウナに入るだけにしようかと思ったのだが、散々歩き回って疲れていたこともあり、少々高めの足マッサージを受けることにした。その値段はむしろ日本より高いくらい。これだけ高ければたっぷり時間を掛けて丁寧にやってくれるだろう、ならば構わん、と考えたのだが…

「ハイ、終わりですよ」

マッサージ台に乗せられてから20分もしないうちに終わってしまった!!!有り得ない!物価の高い我が日本ですら有り得ない!この値段でこの時間は有り得ない!!!!!

続いて、別のオバサンにハンジュンマクへ追いやられる。「ムシブロ、ムシブロ」と言っていたが乾式なんだから蒸し風呂ではないだろうよ…ていうか、その前にフロに入りたかったんだけど???

イロイロ不愉快な施設ではあったが、ハンジュンマクだけは確かにホンモノだった!とにかく、今まで入った中では最高の熱さ!少し動いただけで皮膚が痛い!熱さ除けに麻袋を被るのだが、そこから少しでもはみ出た所はヒリヒリ疼く!そして入った途端に汗がダラダラ出る!うぅ!気持ちいい!!!

10分程で一旦出て、休憩所で涼んでからまた入る。そんなことを2~3回繰り返すのだが、その間にたっぷり1時間くらいの昼寝もしてしまった。デトックス効果もバツグンで、この後しばらくは肌の状態が大変よろしかった。

でもなー、あの心のこもらないサービスと、ぼったくり料金と、料金の割には薄汚い内装を考えると、あそこにはもう2度と行こうと思わないし、それどころか「あんな店は2度と行きません」とドコゾに投稿したい気分でもあるのは確かだ。次は地元のヒトにもっとイイとこ紹介してもらおっと。

ミョンドンの「天地然火汗蒸幕」、2度と行かね~~~~。

皆さんも気をつけてね。