韓国
第2節 韓国フツーな観光案内

物価が上昇する

5度目に韓国を訪れてたまげたのは、交通費が値上がりしていた事である。

まず、空港から出ているバスの料金が上がっていた。ソウル中心部まで行くリムジンバスの料金は変わっていないようだったが、安くて早いと筆者が気に入っていた手段、即ち金浦空港までバスで行き、そこから地下鉄で市内に出るという方法がさほどお得ではなくなってしまった。バスは4500Wから6000Wになってしまっていたのだ。

また、数ヶ月前は地下鉄の1区間が700W、その上が800Wで、市内は大体この料金だけで回れた。ところが2004年末現在、1区間900W、100W単位で1400Wまで、5区間に細分化されていた。97年発行の韓国語テキストには1区間400Wと書いてあったから、7年の間に2倍以上に値上がりした事になる。日本で1番高い名古屋の地下鉄料金に迫る日もそう遠くないかもしれない…。

それにしても、まだ安いこた安い。なにしろ、500円もあればソウル中(どころか郊外まで)ぐるぐる回って、帰って来られるのだ。1週間いて、ソウル中を目一杯巡り、地下鉄代は2000円も使っていない。

依然として不便なのは切符の自販機がコインしか使えない事である。韓国だけではないが、外国の公共交通機関というのはこの辺がダメな物が多い。と言うか、当たり前にあるから当たり前だと思ってしまっているが、日本の自販機がスゴ過ぎるのだ。ほぼ全紙幣使用可能で、新札が出てもすぐに対応し、お釣りがきちんと出て、駅員さん呼び出しボタンまで付いてるんだ!バスの料金箱だって、ちゃんと両替機が付いてるんだ!こういう几帳面さはどうも日本人だけの特質らしい。

韓国で地下鉄ができた当初は料金が安かったから、さほど不便ではなかったかもしれないが、今となってはコインだけで買えるのは1区間料金の切符のみ。しかも、500Wコインを使っても、最低5枚は小銭を用意しなければならないから、自販機を使える機会は実に少ない。多くの人が券売所に行列を作る。外国人にとっては販売員に「何処まで」と告げるのも一苦労だ。1度だけ、札が使える自販機を目撃した事があるので、今後これを増やしていくつもりはあるのだろう。

数年前に訪れた時、友人がプリペイドカードを買ってくれ、これは大変便利だったのだが、そのような物はないのかと販売員に訊ねても、旅行者には不便だから買わない方が良いという。その人が見せてくれたのは厚いプラスチック製のカード。改札機にかざせば、財布やカバン越しでも反応してくれる便利な物だが、それを買うだけで2000Wかかり、それに更に料金を追加して使っていくのだという。筆者が当時使ったのは紙製の物。これはなくなってしまったのだろうか?飛行機の機内で手に入る案内誌にも1割ほど割引になるプリペイドカードがあると書いてあったのだが…。筆者の語学力では駅員に詳細を訊くのは不可能だった。

さて、交通費ではないが、価格が上がっていた物がもう1つあった。それは筆者の好物の菓子、ヘバラギだ!以前は45g入りの小袋の物が500Wだったのに、なんと、700Wに値上がりしていたのだ!!!

なんだか世知辛い世の中である…。