アジア
The Amazing Thailand(タイ編)

イケてる日本語

タイ人にとって、日本語は結構イカした言語であるらしい。それは街中で見られる日本語のサインの使われ方を見ればよくわかる。デザインの一部として使われているのだ。それゆえ言語としての意味を成さず、妙ちくりんな表現となっている場合も多々有り。

ま、日本で英語やフランス語が「なんとなくカッコよく」見せる意図で装飾的に使われるのと同じようなものなので、迂闊に笑い飛ばすことも出来ないのだが。第一言語がフランス語の知人が、洋菓子屋の袋に印刷されているフランス語を読んで「普通はこんな使い方をしない」と言っていたっけ。といったような日本におけるおかしな英語・フランス語表記に失笑を禁じえないガイジンの気持ちをタイでは存分に体験できる。

怪しい日本語表記は韓国にもあるにはあるのだが、韓国では日本人観光客のために実用性も兼ねて表記している場合が多い(その割には間違いだらけだが…)。しかし、タイの場合は装飾的な要素が強いため、更に怪しさに拍車がかかっている。タイ人が読むわけでもなく、とにかく正しい日本語である必要はないのだから。

因みに、最近日本でも韓国語のサインをよく見るようになった。公共施設での行き先案内などである。これが間違っていては大いに困るわけだが、先日行った秋田県のとある観光施設で、「市場」を意味する「シジャン」が「サジャン」と表記されていた。まー、あそこへ出かける韓国人がそんなにいるとは思えないので、別にいいんだけど。

タイにおける「イケてる日本語」は、なんといっても仮名文字。何故かというと、タイには中国系の住民が多いので、漢字は割りと見慣れたもの。見慣れない仮名文字がより「イケてる日本語」というわけなのだ!商品のパッケージなどは、通常日本人なら漢字で表記するような単語がわざわざ仮名文字で書かれていることも多い。

バンコクの街中を歩いていると、イケメンの若者が胸に「ひよこ」と書かれたTシャツを着たいたりする。筆者は目を見張って思わずぷぷっと笑ってしまった!でも、日本でも「Little Chicken」とか書いたTシャツはありそうでコワい。

殆ど意味を成さない平仮名の羅列が印刷されたトランクスも売られていた。ナイトマーケットのキワモノTシャツ屋では、更に怪しい日本語サインを発見できる。「皆で応募しよう!」と、雑誌から切り抜いた物をそのまま印刷したようなものがあったり、可愛らしいキャラクターのイラストから卑猥なせりふの吹き出しがでていたり。

筆者が最初に見つけたおかしな商品パッケージは「ネットー」というお菓子の袋である。網目状のスナック菓子なので「ネット」という意味なのだろうが、もともと英語なのだから、これをわざわざ日本語表記する意味がわからない。しかも「ネットー」って、どちらかというと「熱湯」だよ???一応、裏の説明を読んでみると(何故読めたかというと、日本語で書いてあったからだ!)、「ネットーは全く新しいタイプの日本テイストなお菓子です。日本製の最新技術による製造方法で作られ…」とか書いてある。日本語的にはまあまあ正確に書けてはいるのだが、一体これを誰のために表記したのだろうか!物好きな日本人観光客のウケ狙いだろうか!(まさか!)

それにしても、実際食べてみたのだが、何が日本テイストで、何処に最新技術が使われているのかよくわからなかった。

タイのテレビでも大々的にコマーシャルを流していた緑茶系のペットボトル飲料、「もし」。日本において緑茶飲料のネーミングとしては有りえないセンスだ…。パッケージには侍と思しきちょんまげ姿の男のイラストが印刷されている。しかし、顔つきはどう見てもタイ人だ…。そしてこの商品のコマーシャルでは、このサムライがどう見てもタイ寺院の屋根としか思えない派手な色使いの屋根の上を「もし~~~」と叫びながら疾走していく、という場面がある。ワケがわからん…。

ペットボトル飲料3連発

「もし」の隣にあるペットボトルの拡大写真。これもお茶の類だと思うのだが、white teaという英語表記の下に「ぴょりく」という平仮名が。ナニ?「ぴょりく」って?

ナタデココ入りの激甘飲料。なにやらカタカナ表記らしきものがあるのだが、判読できない…。ナンなんだろう…???

緑茶と思しき飲料。「無糖で健康に良い日式の緑茶」と書いてある。いくら健康に良くても、日本語で書いてあっちゃわかんないじゃん。

因みに、タイで売られているお茶系飲料は、殆ど甘味付き。この緑茶も無糖ではなかった気がする。お菓子も飲み物も、大体が甘すぎる。普段の食事は辛いのにね?

お菓子のパッケージ

「すっぼい梅」

「すっぱい」じゃないところがミソ!

「スナック(あき)こ」

カッコの意味がわからない…

日本食材店には正統派日本製菓子もあるのだ

ミャンマーでも日本語が人気?

タイ国境近くのミャンマーの村で売られていた「飛馬印洗濯用石鹸」。「日本の方式である古来の工程で製造」されているそうだが、どう見ても中国製である。第一、「日本の方式の石鹸製造法」って聞いたことないけど…。これで洗濯すると真っ白になるそうだ。タイ語表記もビルマ語表記も無し。石鹸だとわからないじゃないか。誰が買うんだろう?