タイの美容院

まだ記述はしていないのだが、韓国の美容院も相当なネタになる代物だった。何しろ、昭和初期に存在したような大層なパーマ機が登場し、今時、熱をあててパーマをかけるのだから!!!(大都会ソウルではなく、テジョンの美容院だったからかもしれない)

しかし、タイの美容院はそれの更に上を行く素晴らしさだった。

日本より物価の安い国なので、当然美容院でかかる費用も安いと思い、筆者はタイ滞在中に「体験」も兼ねて美容院に行くことを計画していた。現地の知人に訊くと、タイには星の数ほど美容院があるという。それは、タイでは免許制度がなく、比較的簡単に美容師になれてしまうからだそうだ。だから、腕は人によりけり。だから、タイでの美容院潜入はある意味博打だということだ。

しからば現地の女性から情報を得るのが妥当だと思い、訊いてみたのだが、訊いた相手が間違っていた!何しろ相手は金持ちPさんの奥さんである!なんと彼女は、日本人マダム御用達の高級美容院で日本人美容師にカットしてもらっているということだった!

そうなのだ。バンコクには日本人駐在員向けの、日本並みのお値段の美容院がゴロゴロしている。日本人向けのフリーペーパーでそれを確認した筆者は、「ふざけるな、ナンダこの値段は」と、その選択肢をすぐに放棄したのは言うまでもない。

で、金持ちPさんの奥さんは、一応、自分の会社のすぐ近くにある手頃な美容院を紹介してくれた。勿論、彼女自身は利用したことはなく、その品質の程は全くうかがい知れないが、言葉のわからない筆者に代わって、彼女のお嬢さんが色々と話をつけてくれたのは有難かった。料金は、カットだけなら300円以下、筆者が目論んでいたストレートパーマも4000円くらいである。で、ストレートパーマと一緒に「シーシェード」もすると良いと言う。

「シーシェード」?

なんじゃそれは?

話を聞くと、どうやらトリートメントの類らしく、語源は…「ほら、日本にあるでしょ?」とお嬢さんはおっしゃる。

ああ!資生堂か!

なんと、資生堂というメーカー名がトリートメント剤を表す普通名詞として取り扱われているらしい。イヤハヤ…。

さて、お嬢さんに案内されて、いざ、会社の近所の美容院に潜入する。そこにいたのは20代半ばくらいの若い女の子二人。カットと「シーシェード」込みでストレートパーマを施してもらうことにした。

まずはシャンプー。…かなり雑だ。自分で洗っているのとそうかわらない…。韓国の美容院だって、もっと丁寧にやってくれた気がする。日本の美容師さんはやはり優秀なのだなぁ、と改めて思う。Pさんの奥さんが病みつきになるのも無理はない。

続いて、ストレートパーマ。薬剤を髪に塗りこんでいくのだが、その時、簡単に水が染み込んでしまうような小さな布で、肩の辺りだけが覆われていた。薬剤が衣服に落ちて染みになりかねません!!!こりゃ、Pさんの奥さんが日本人向け美容院に通うのも無理はない…

最後にカット。これも…かなり雑だった…一応、ヘアカタログのようなものを見せられたので、こんなかんじ、と指して見せたものの、出来具合はイマイチ同じとは言いがたい。前髪もうちょっと切ってくれる?と、こちらが指示を出しつつなんとか終了。いつも人任せなので自分自身でイケてる指示を出せるわけもなく、いまひとつイケてる髪形にはならなかった。まー、この値段なら文句は言えないか…

全ての工程が終わって、Pさんのお嬢さんが迎えに来てくれるまで、しばらく美容院で待っていた。どうでもいいのだが、そこにあったテレビで韓国時代劇、「チャングムの誓い」をやっていた。現地に知人によると、タイのドラマに比べると、韓国ドラマはかなりお洒落な部類に入るらしい。迎えに来てくれたのはお嬢さんではなく、息子さんだったのだが、彼はけなげにも「オー!ナイス・ヘアカット」とビミョーなお世辞を言ってくれた。いいのよ、いいのよ、所詮値段相応の出来なのだから…

とイロイロ文句を言いつつも、またタイに行くことがあったら現地の美容室に潜入する可能性は十分にある。ネタの採取も勿論目的の1つだが、やはり安さは魅力的である。