タイ文字と戦う

エセ言語マニアの筆者としては、初めての国、タイに行くにあたって、タイ語の習得を試みようとしたのは言うまでもない。いや、全く初めての言語を半年やそこらでマスターできるほど優秀でないことは自分でもわかっていた。だからごく控えめに「文字だけでも読めるようになったら楽しかろう」と思ってタイ語の本を購入したはいいが。

タイの文字、非合理極まりないよ~~~~~!

「バカでも三日で覚えられる」ように作られたハングルはラクラク覚えられたものだから、ちょーしこいとったら、全然勝手が違うんだよ~~~~~!改めて、ハングルが実に合理的に出来ていることを思い知った次第。

タイの文字は13世紀にインド系の文字を元に作られたそうで、ハングルが出来た時代よりも更に2世紀前のお話である。時代が多少古いとはいえ、作った人、あんまり頭良くなかったのかな…。だって、同じ発音を表す文字がいくつもあったり(声調の関係も色々あるらしいが)、ちょいと向きが違うだけで全然違う発音になったり、無駄に文字が多い割には母音を表す文字が少なくて、基本母音字を2個も3個もくっつけ、しかも必ずしも合理的ではないわっけのわからん組み合わせで中間母音や二重母音を表していたり、でもって、母音字は子音字の前や後ろや上や下や、ひっちゃかめっちゃかに配置され、時と場合によって同じ母音でも表記が異なったり、はたまた、時に母音字が省略されていて、それを勘で補って(!)読みこなさなければいけなかったり、でもってレタリングされた文字なんかはガイジンには判別不能な具合に変形されていたり、手書き文字なんか、もうお手上げ…。更に筆者の苦手な声調記号も漏れなくついてくる!

タイ人の子供、文字の読み書きを習うのに結構苦労するんじゃないか?大人の文盲も多いんじゃないだろうか…

結局文字を覚えても読みこなすことすら難しいだろう、と感じた筆者は、文字学習を始めて早々に匙を投げてしまった。

ところが。

いざタイに来てみると。

勿論、途中で匙を投げた筆者にすらすらタイ文字が読めるわけがない。しかし、少しでもかじった知識は伊達じゃなかった。かすかに記憶に残っていた文字、タイの貨幣単位を表す文字など何度も見かける文字、そんないい加減な知識がたまたま良い具合に終結し、勘を働かせると、読めないこともない単語もあったりしたのだ!(主に地名)頭文字がkで、最後の文字がp、ngの音を表す子音が入っているから、これはKrungtheep(タイの首都、バンコクの正式名称)に違いない、てな風に!

あぁぁ、面白いよー!!!

ていうか、もっと真面目に勉強しておいたらもっと面白かったはずだよー!!!

と、しきりに自分のものぐさを後悔したのであった。