韓国
第7節 おもてなし大国

タクシー運転手のお節介に辟易

1日明けて、さあ、もう釜山へ戻る日だ!全州観光をほとんどしないまま…(^_^;)

その前に、念願だった馬耳山(マイサン)へ!1998年に買った「地球の歩き方」の扉にココの写真が使われていて、かといってガイドブック内にはココの詳しい説明が見当たらず、石を積み上げた塔がそそり立つその神秘的な様相に、一体ドコなんだろう?と訝っていたのだが、今回、写真に書かれたハングル地名をgoogle mapで検索したら全州の近くだということがわかった。98年ではホレ、まだネットの検索機能が発達していなかったし、Ajaxが開発される前だからgoogle mapもなかったもんね。

そういうワケだから、今回全州まで来て馬耳山に行かない、ということは私的には有り得ないことだったのだ。たとえ全州観光はせずとも(;´Д`)

前日、観光案内所へバスの時刻表を貰いに行ったら、ニホンゴの達者なおじさんが直通バスの存在を教えてくれた。馬耳山は全州の隣の鎮安(チナン)市にあり、市内を走るバスで鎮安に行ってから馬耳山行きのローカルバスに乗り換える方法もあるんだけど、鉄道の駅前から直通のバスで行った方が簡単だということだった。料金的にもコチラの方が安い。ただ、1日3本しかなく、鉄道駅への市内バスのアクセスも良くない。だから大事をとって駅前発の時刻の1時間前にゲストハウスを出たのだが、駅前行きのバスがなかなか来ないので、仕方なくタクシーで行くことにした。

で、タクシーの運転手に鉄道の駅まで行ってください、と言ったトコロまではよかった。このまま客の言うとおりに言われたところへ行ってくれればいいのである。わが国のタクシー運転手なら間違いなくそうしてくれるハズなのに。

ドコへ行くんだ、と訊かれたので、馬耳山、と答えると、「馬耳山へ行くなら鉄道の駅じゃない、市内バスで鎮安へ行かないと!」と、勝手に進路を変えようとする!!!!

ソレは知っている、だけど観光案内所でこういうバスがあることを訊いて、コチラの方が簡単にいけるからコレに乗るんだ、と、時刻表を見せて説明したのだけど、頑として聞こうとしない!!!!その理由は、あろうことか、運転手自身が、駅前の停留所がどこにあるか知らないから!

アホな…

韓国人のお節介は今に始まったことではないけれど、コレはもう自己満足、自分勝手の域を出ない迷惑行為でしかない。運転手と世間話をして、思わぬ情報を得ることもあるのだけど、この時ばかりは余計なことを言わなければ良かった、と後悔した。

運転手は鎮安行きのバスが通っているという大通りまで勝手に(!)やって来て「ココでバスに乗ればいい」と言うのだけど、私は鎮安行きのバスが何番で、どのくらいの頻度で出ているのか知らない。明らかなのは、鎮安から馬耳山までのローカルバスの本数が少なく、運転手の言う方法で行ったとしたら鎮安で無駄な待ち時間を過ごす可能性が高いということだった。ココまで来てしまったら、駅前から出た方が間違いなく効率良く移動できるはずだった。その上、市内バスを使うのだったら、そもそもタクシーに乗らずとも、もっと安く、バスでアクセスできたはず。

私が不服な顔をしていたので「大丈夫だから!オジサンは行き方をよ〜く知っているから、言う通りにすれば間違いない!」と要らぬ自信を披露する。私は駅から行きたいんだから駅へ行って、と強く促すと、運転手はしぶしぶ(!)従い、駅に着いたら着いたで「停留所がどこかワシは知らんからな」と捨て台詞。多分、大通りに出るために回り道をしており、料金は余計にかかっているはず。運転手は親切心からしたことだろうけれど、自分の知識の及ぶ範囲内でしか発揮できない親切は、結果的には所詮親切には成り得ない。韓国は年上優位の国だけに、相手が年下だから、客だろうと何だろうと、見下しているトコロもあるのダローか?

さて、観光案内所で大体の位置は聞いていたものの、「馬耳山行」と明示されたバス停はドコにもなかった。駅へ行ってコーヒーショップのオバサンに聞くと、構内の観光案内所を教えてくれた。観光案内所ならば安心!行ってみると、バス停の場所を明示した地図が貼ってあって、件のバスの時刻も明示してある。ちょうどタクシーを降りたあたりにあった市内バスの停留所と同じトコロだったのだけど…行って見ると、やはり「馬耳山」の表示はドコにもない(^_^;)(こういうことは、韓国ではよくあります)しかし、ホカにバス停らしき場所もないのでしばらく待っていたら、運転席の窓に「チナン」とかかれたカードを立てたマイクロバスがやってきた。

あー、これで間違いなく馬耳山に行ける…(’。’;)

ちなみに、馬耳山とは双耳峰の霊山で、麓に、石を1つ1つ手で積み上げて作られた塔がいくつも立っているフシギな景観のお寺がある。韓国のパワースポットとして取材すべく、ニホンの占い師が訪れたこともあるそうな。ものすごいパワーが到達している位置に一番大きな塔が立っており、コレはアンテナの役目をしているのでは?とゆーことであるのだが、そういった「気」というモノをまったく感じられない私には、ただのオモシロイ景観の寺以外のナニモノでもなかった(^_^;)

馬耳山の石の塔

桜や紅葉の時期は大層美しいらしく、また、登山コースもあるので、またいつか改めて訪れてみたいモノ。山全体が荒い礫の堆積岩で、大変崩れやすく、登山道保護のため2004年から10年間、山頂への登山は禁止されているそうな。登山道が解禁されたら行こうかなー?

客との間に一線を画さないホテル経営者に続く≫